2013年5月15日水曜日

必ずしもit=「それ」ではない場合(中1)

中学1年の初めのほうに習う文法から。

What’s this? It’s a pen.
「これは何ですか」-「それはペンです」

What’s that? It’s a hospital.
「あれは何ですか」-「それは病院です」

このように,応答の主語Itを「それ」と訳してある教材が多いと思います。確かに,上のthisのパターンでは違和感ないですが,下のthatのパターンでは,日本文だけを読み返すとなんだかおかしくないですか?

thatを使っているので病院は遠目にあります。でも,日本語の「それ」は比較的近いところにあるモノに使うはずだからです。

つまり,「itは必ずしも日本語の『それ』とはならない」というルールがここにも当てはまるわけです。このitはあくまで相手の発言の中で指し示したモノを受けるit,あるいはthis/thatで聞かれてthis/thatの反復を避けるためにitを使っていると考えてもよいでしょう。「それ」と訳すくらいなら,「あれは何ですか」「あれは病院です」のほうがまだイメージが近いくらいですね。もっとも,it=「あれ」とは習わないので余計に混乱を招きますが。

したがって,訳は,

What’s that? It’s a hospital.
「あれは何ですか」-「病院です」
「あれは何?」-「病院よ」

がベストではないでしょうか。

中1のこのレベルでは,どうしても一字一句日本語に置き換えないとダメだという慣習?からの指摘でした。

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