2013年4月24日水曜日

ライティングのできる人

 先日,フェイスブックでSW抜きのTOEIC満点より(ケンブリッジ英検)FCE保持者の方が「英語ができる人」だと言われて,大変嬉しく思うと同時に本当にそうだと思いました。
FCE試験はリーディング,リスニング,スピーキング,ライティング,文法に分かれていて総合で合否が決まります)

 資格でなく技能で言うと,やっぱり「(ある程度の長さの文章を)正しく書ける人」がいちばん信頼できます。結局,正しく書くには語彙・文法を正しく"使う"ことができないといけないし,正しく書ける人は,読むこともできるはずで,発音はどうであれ,ある程度話せる(自分の伝えたいことは表現できる)はずだからです。

 一方,「話す」ことができても「聞く」ことができなければ当然会話はできません。つまり,英語が書ける人が"会話"ができるかどうかは,「聞く」力次第でしょう。いずれにしても,語学学習の最重要・最終目標はやはりライティングというのが持論です。

 四技能バランスよくと言うけれど,そんな簡単な話ではないと思います。少なくとも,信頼おける添削者による指導でライティングの練習をすれば,必ず語彙力・文法力も同時に伸びます。(ただし,下線部が難しい問題か…)

2013年4月23日火曜日

超基本のNice to meet you.の使い方がおかしい?

中学1年の超基本の会話表現:Nice to meet you.

これを使う正しいシチュエーションがわかっている人,厳しく直すネイティブスピーカーは意外と少ないのかも知れません。

たとえばこんな会話。

A: Excuse me. Could you tell me how to get to the station?
B: Oh, I’m going there, too. Let’s go together.
A: Thanks.
B: My name is Kayo. Nice to meet you.
A: I’m Ben. Nice to meet you, too. Are you a student, Kayo?
B: Yes, I am.
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道を聞かれて一緒に駅へ行くという,まあよくある(教材用)場面です。高校入試でも見かけます。

KayoBenは初めて会ったので,「はじめまして」というわけですね。でも,このシチュエーションでNice to meet you.はおかしいのです。

そもそも日本人同士の場面に置き換えると,名前は名乗らんだろう,というツッコミもあるでしょうが(笑),そこは教材用と割り切ったとしても,ここで「はじめまして」とは言いません。さらに,本来の意味「あなたにお会いできて嬉しいです」と考えると,ますますおかしな会話です。

つまり,Nice to meet you.
は前もって知っていた人や噂に聞いていた人,約束をしていた初対面の人,パーティーで友人の家族を紹介されたとき,そして中1の教科書冒頭のような,新学期で初めて会う英語の先生やクラスメートのような,出会うことが決まっていた人などに対して適切な表現なのです。ですので,上記のような,会う予定でなかった突然の出会いでNice to meet you.はおかしいのです。

2013年4月16日火曜日

文法用語に惑わされるな。(分詞)

文法用語が混乱させている別の例が「分詞」です。

中学で正式に過去分詞・現在分詞という用語を使うのはたいてい3年の後置修飾のところですが,ここで過去分詞=「過去」,現在分詞=「現在」という時制のイメージをもってしまうと具合が悪いです。

過去分詞は現在完了や受け身で使いますが,受け身(
be動詞+過去分詞)は「過去」という時制と無関係です。

現在分詞についても,現在進行形(be動詞・現在+現在分詞)は確かに「現在」のことですが,過去進行形(be動詞・過去+現在分詞)は当然,「現在」でなく「過去」のことです。

こういう初期のイメージが,いつも言うところの,*Do you see that sleeping boy?「あの眠っている少年が見えますか」といった文を作ってしまう原因の一つだと思います。

中学レベルでは「現在分詞」なんて言わず,「動名詞」とともに「(動詞の)~ing形」で通すほうがまだいいのかも知れませんね。