普段,わたしが「会話用の例文」「話し言葉」を書くときにこだわっていることの一つ。
とにかく,実用的であること。実際の場面で,その例文がそのまま使えること。
例えば,try onという熟語の例文作成では,
Can I try this shirt on?「このシャツを試着してもいいですか」
ではなく,
Can I try this on?「これを試着してもいいですか」
とします。
ぱっと見て,わかりにくいかもしれません。 this って唐突に何よ? と。
でも,実際,店内で店員にこう尋ねるときは,シャツを手に持っていると想像され,つまり試着するのは(帽子でもセーターでもなく)シャツであることは明らかなので,普通はわざわざ「このシャツを」とは言わないですよね。
でも,実際,店内で店員にこう尋ねるときは,シャツを手に持っていると想像され,つまり試着するのは(帽子でもセーターでもなく)シャツであることは明らかなので,普通はわざわざ「このシャツを」とは言わないですよね。
書き言葉なら,try a shirt onでも全く構わないんです。こんな比較はどうでしょう。あるストーリーの一部と仮定します。
Linda went into the shop and looked around. She wanted to try a shirt on, so she asked the shop assistant, "Can I try this on?"
Linda went into the shop and looked around. She wanted to try a shirt on, so she asked the shop assistant, "Can I try this on?"
「発話」の部分ではやっぱりtry this onになりますね。
話し言葉を書くときは,常にその文を使う場面を頭に浮かべながら書いています。当然と言えば当然ですが,「この英文はいつ,どこで,どんな状況で言うの?」と言いたくなる英文に出くわすことが多いのも事実です。
最近の単語集や会話集はCDがついていて,音読練習ができるようになっているので,Can I try this on? / Can I try these on?と何度も声に出して練習することによって,実際の場面で(頭で考えずに)スラっと口から出てくるといいな,思います。
現在,5月初旬に刊行予定の単語集の作業真っ直中です。乞うご期待!