mustの意味・用法は,義務・必要「~しなければならない」と推量「~に違いない」がよく扱われますが,You must ~と言えば,「ぜひ~してください」という『強い勧誘』の意味でもよく使います。
我が町の紹介などのテーマで中学教科書にも登場するようですが,勧誘として習わないため,「あなたは~しなければなりません」のような訳にならないように注意が必要です。
You must come and see me next time.
ぜひ次回は私に会いに来てください。
If you go to Tokyo, you must visit the shop.
東京に行くなら,絶対その店に行くべきですよ。
また,相手にある本を強く勧めるなら,You must read this book.と言えます。
書評などで,名詞mustを使ってThis book is a must for (人). / This is a must book for (人).のような表現も可能ですが,これも,(人)に読む”義務”があるというより,「(人)にはぜひ読んでいただきたい本」といった「強い勧誘」ですね。
ODEの名詞mustの意味:
<informal> something that should not be overlooked or missed.
なお,新英和大辞典やジーニアス英和にこの助動詞mustの「強い勧誘」は載っていないのですが,現代英文法講義にはしっかりと載っていました。
次に,mustの疑問文です。
最近の中学教科書では全く扱わないか,文法のまとめで例文を載せる程度に留まっている印象です。実際はほとんど使わないからと思ってよいでしょう。
このmustの疑問文の意味ですが,単純に「~しなければなりませんか」という義務・必要の疑問文というよりも,「本当はしたくない」というニュアンスが含まれています。
例えば,Must I do my homework now?だと,本当は今それをしたくないという気持ちです。(--> I want to do it later.)
Must we go that restaurant for dinner? (--> I don’t want to.)
Must you make that awful noise? (--> I don’t like it.)