2013年3月19日火曜日

「命令文」という言い方をやめたい!?

前のブログでも書いたと思いますが,「命令文」について改めて触れたいと思います。

中学1年で習う「命令文」。たいてい以下のように解説されると思います。

・「~しなさい」というとき,動詞の原形で始める。
 例:Come here. ここに来なさい。

pleaseをつけると「~してください」と丁寧になる。
 例:Please come here. ここに来てください。

しかし,各種教材では学年が上がってもこの公式に沿って意味を書くものだからおかしくなることがあります。

A: Excuse me. Could you tell me how to get to the station?
B: Go straight and turn right at the second corner.
 まっすぐ行って,2つ目の角で右に曲がりなさい。

道案内の定番場面ですが,これだとBは見知らぬ人に偉そうです。形は命令文でも,相手の利益になる内容では,「~してください」なのです。

レシピではどうでしょう?

Add the vegetables and boil for 30 minutes.
野菜を加えて30分煮なさい。

書き言葉のレシピなら「~煮る。」という常体,リスニングなどで作り方を話しているなら「~煮てください。」が適切です。

その他,(Please) Say hello to your parents.やHave a nice day.は決して「命令」ではないわけで,1年冒頭のクラスルームイングリッシュの教師の発言Quiet, please.では,pleaseは命令文に丁寧さを加えるのではなく,命令を強める働きをしています(指導書にも記述あり)。

と考えると,そもそもこの「命令文」という用語がいけないのかもしれません。また,文法の解説に『「~しなさい」というとき,~』といった意味を固定することに抵抗があります。

日本語で英語を学ぶといろんな支障が出てくるほんの一例です。そして,教材を作る際に常につきまとう「訳」。わたし自身がワークを執筆するときは,極力「訳」のない,英語だけで完結する問題形式を選びます。「訳」を使わざるを得ない場合は,できるだけ特定の場面,それ以外に「訳」は考えられないだろうという英文を選びます。中学英語ではなかなか難しい点もありますが,もっともっとよい教材ができるはずです。

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