2012年11月16日金曜日

分詞の落とし穴

日本人が苦手な文法の一つに「現在分詞・過去分詞」があります。これはある固定観念に縛られているからかも知れません。まずは、後置修飾で見てみます。

【分詞の後置修飾の意味】
〈名詞+現在分詞+語句〉は「~している…」
〈名詞+過去分詞+語句〉は「~された…」

ほとんどの教科書・教材がこうなっていると思います。しかし、実際はそんな単純ではありません。

「名詞+現在分詞+語句」は常に進行形「(今)~している」の意味ではないのです。いつも言いますが、「文脈」次第です。たとえば、

the boy singing over thereだと、the boy who is singing over there「(今一時的に)向こうで歌っている少年」で「現在進行形」ですが、

the animals living in the seaは、the animals that live in the sea「海に住む動物」です。「今一時的に海に住んでいる動物」では意味が変です。

同観点が前置修飾でも生きてきます。
the singing birdthe bird that is singing「(一時的に)歌っている鳥」ではなく、the bird that sings「鳴き鳥」なのです。(日常生活でsinging birdという語句を使う機会はあまりないと思いますが…)

現在分詞=「~している」と思いこんでいるために、また、the singing birdという表現があるなら*the singing children「歌っている子どもたち」もいいんだろう、と思ってしまうのですね。


次に、過去分詞も、実は常に受け身「~された、~されている」の意味とは限らないのです。たとえば、以下のような前置修飾がわかりやすいかもしれません。

fallen leavesleaves that have fallenで「落ちてしまった葉=落ち葉」ですね。fallenは受け身ではなく完了の過去分詞なのです。

ちなみに、falling leavesleaves that are fallingで「(今まさに)舞い落ちている葉」ですね。

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