中学ではanyの意味としてたいてい「(疑問文・否定文で)いくつか(の),いくらか(の)」などと習うようですが,文全体の訳になると違和感があることがとても多いです。
教科書によっては巻末リストに「訳さないことも多い」と書いてあるのですが,特に中1教材で,100%これを訳出する傾向にあるのです。中1レベルでは,問題中で日本語と英語を並列する際,日英で1語1語対応して示さなければ難しいという暗黙の了解があるようですが,無理矢理に訳すと時に不具合もあるのです。
Do you have any friends in Japan?
この文の訳が,たいてい「あなたは日本に友達が何人かいますか」「あなたは日本に何人かの友達がいますか」となっています。
anyを「何人か(の)」と訳出しているのですが,これが「訳さないことも多い」の例で,「あなたは日本に友達がいますか」で十分なのです。この〈any+名詞の複数形〉は,特に複数を意図しているものではないからです。
理由は,逆に「あなたは日本に友達がいますか」を英文に直すとどうなるか,考えてみましょう。
Do you have a friend in Japan?
でしょうか。この文はなんだか変な感じがします。なぜなら,a friendと単数にすると,相手には「友達が1人しかいない」と決めつけて尋ねている感じがして,相手に失礼になります。友達は複数いるという期待のもと,"a friendではなく自然にany friendsになっている"だけで,これを「何人かの友達」と敢えて複数を強調する必要はないのです。
someや不可算名詞でも同様です。
Can I have some water?
この訳を,「お水をいくらかいただけますか」や「お水を少しいただけますか」などとsomeを訳出しているのをよく見かけますが,「お水をいただけますか」で十分です。なぜなら,waterは不可算名詞なので,aがついたり,複数形になったりしません。よって,"waterに不可欠な語として自然についたsome"であって,このsomeは分量を意図しているのではなく,「いくらかの」とか「少しの」などと分量を強調する必要はないのです。話者がもし分量を意図しているなら,Can I have a glass of water?やCan I have a little water?などと具体的に示すはずなのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿